陛下に友達だと認めてもらえてから、少しは陛下に近付けた気がして、私は嬉しくて嬉しくて毎朝鏡の前で姿をチェックするようになった。 「……うん。よしっ」 誰にも聞こえないように小さな声で呟いたつもりだったのに、後ろからママが「今日もシャノンちゃん…
あれから───、新年祝賀会はいつもの通り無事に終わり、みんな晴れやかな顔でお城を出て行く。 私は沢山の大人達に揉まれながら、必死に陛下の姿を探した。 だって、さっきのあんな挨拶じゃなく、やっぱりきちんと目を見て挨拶をしたい。 ……だけど陛下の姿は…
────物心ついた頃から、ママの近くにはいつもワイアット殿下がいて。 最初はママに話しかけるついでに、殿下にも声を掛けていた。 ……それが、“ついで”じゃなくなったのは、いつからだっただろう─────。 *** 「シャノンちゃん!いつまで寝てるの!?そろそ…